いまさら聞けない「あの用語」 - SpO2

いまさら聞けないあの用語

WORD 01 SpO2

SpO2とは

Hb O2

気管支喘息や肺炎などの呼吸器系の疾患に欠かせないパルスオキシメーター。救急や手術室、一般病棟などでも必ず目にするものですが、それを用いて測定されるのがSpO2です。

SpO2は「oxygen(酸素)のsaturation(飽和度)をpercutaneous(経皮的)に測定する」という意味で、日本語では「経皮的動脈血酸素飽和度」といいます。

肺に取り込まれた酸素は、鉄を含んだヘモグロビンと結合することで全身に運ばれますが、酸素飽和度とは、動脈の赤血球中のヘモグロビンが酸素と結合している割合をパーセンテージで示したものです。正常であればその結合の割合は96~99%の値を示します。経皮的とは「皮膚を通して」という意味です。

酸素飽和度の測定方法は2つある

なぜ「経皮的」とわざわざ入れてあるのでしょうか。それは、血液中の酸素飽和度の測定方法には、実際に血液を採血して測定する方法もあるからです。これはSaO2(動脈血酸素飽和度)と呼ばれ、SaO2SpO2の値はほぼ同じ値になります。

経皮的の最大のメリットは、わざわざ採血する必要がない点。1974年にパルスオキシメーターが開発されると、その利便性から今ではパルスオキシメーターがない施設を探すのが難しいほどあらゆるところに導入されています。

パルスオキシメーターのしくみ

血液の色は単純に「赤」と思われがちです。しかし、そもそも血液のけっ漿しょうは薄い黄色で、赤血球があることで赤く見えます。そして、酸素とヘモグロビンが結合することで血液はさらに赤色が鮮やかになります。パルスオキシメーターは、指の先端部分にプローブをはさみ、そこから光を出して、動脈の赤色の色の度合いを測定することで酸素飽和度を見ています。

ただ、指には静脈もあれば毛細血管もあります。にもかかわらず動脈だけを測定できるのは、動脈には脈動があるからです。そのためパルスオキシメーターは、酸素飽和度のほかに脈拍数も同時に表示します。

SpO2と疾患の関係

SpO2は96~99%が理想的な値ですが、疾患によっては数値が低下することがあります。代表的なのは、気管支喘息、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、肺気腫などです。

SpO2の値があまりに低いと、酸素不足によって酸素と結合するヘモグロビンが少なくなって血液の赤色の鮮やかさが弱くなり、皮膚や粘膜が青紫色になるチアノーゼが現れることがあります。チアノーゼ出現は低酸素状態を示しているため、迅速に医師に連絡して指示を仰ぐ必要があります。

低酸素時の対応としては、酸素と薬物の投入、保温、安静な体位を維持することなどがあります。

更新日:2017年9月25日(月)