タンパク質が分解されるとアンモニアが作られますが、アンモニアのままだと身体に悪いため、肝臓でさらに尿素に変えられて、最終的に腎臓を通して尿として排出されます。ところが、腎臓のはたらきが悪くなると、腎臓でろ過しきれずに尿素が血液中に残ってしまいます。そのため、血液中の尿素を測定することで、腎臓のはたらきが正常かどうかを知ることができます。ちなみに検査では、尿素に窒素が含まれていることから、窒素を測定して値を導き出します。
検査値が高い場合は腎臓のはたらきが悪くなっていることが考えられ、逆に低い場合は、尿素をつくっている肝臓のはたらきが悪くなっているか、タンパク質の摂取が極端に少ないことなどが考えられます。
基準値
基準値は下記のとおりです。
8~21mg/dL
異常値時に考えられる疾患
高値 | 低値 |
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BUNは、「腎前性」「腎性」「腎後性」の大きく3つの原因に分けることができます。
「腎前性」とは、腎臓でろ過される前の段階が原因になっているものです。1つは尿素の元となるタンパク質の摂りすぎの場合。肉などを大量に摂るとBUN値はわずかながら高くなります。また、脱水になると尿素が吸収されるためにBUN値が上昇します。心不全によって腎臓に流れる血液量が少なくなると腎臓のはたらきが悪くなり、同じく値が上がります。
2つ目の「腎性」は、腎臓そのもののはたらきが悪くなっていることで起こるものです。急性腎炎、慢性腎炎、腎不全、腎盂腎炎、腎がん、腎硬化症などが考えられ、腎前性と比べると比較的高い値を示します。
3つ目は「腎後性」で、尿路や膀胱に問題があることで起こるタイプで、腎結石、尿管結石、膀胱がんなどで高い値になります。
一方、基準値よりも低い値の場合は、肝障害のほか、低タンパク食、拒食症、尿崩症、妊娠などが考えられます。
ケアはこうする
BUNは脱水によって高値になるので、尿量、尿比重、水分摂取、下痢の有無など水分出納を確認しましょう。また、タンパク質の摂取状況によっても値が左右されるため、低値の場合はなるべくタンパク質の多い食事を摂るようにし、高値の場合は摂りすぎないように注意し、点滴中の場合もタンパク質の量をチェックします。
BUNの値が上がると身体がかゆくなることがあるため、かゆみを抑えるために保清と保湿を心がけるようにしましょう。