千葉県・一般病院
人間にとって、「食べること」は栄養補給だけではなく、人生において楽しみにもつながります。
摂食・嚥下障害とは、脳卒中や神経筋疾患等様々な原因で起こります。ご病気により食べる楽しみが奪われてしまうと、生きる意欲やQOLが大きく損なわれてしまう事があります。
そんな患者さまの「食べたい」気持ちに寄り添い、安全に食べられるよう支援することが役割です。
学生の時に肺炎の患者さまを担当しました。その方は治療のため欠食を強いられていたのですが、食事が再開された時、最初の1口を食べ「美味しい」ととても素敵な笑顔をされたのです。その時「食事は人をこんなに笑顔にできるんだ」と感じました。
入職してからは日々の業務をこなし充実した毎日を送っていましたが、5年目になり「このままでいいのか」という物足りなさを感じ、自分の原点に立ち返り、目指すことを決めました。
専従看護師として、対象となる患者さまの食事場面の観察や食事形態の選択・内容調整、食べるための準備として口腔ケアや間接訓練といった実践を行っています。また、スタッフへの指導やアドバイス、他職種(医師、PT、OT、ST、管理栄養士、薬剤師、PSA等)と意見交換・連携を行いながら患者さまの「食」を支援しています。NSTカンファレンスや、昨年の春より始まった嚥下回診、窒息対策WG等の会議にも出席しています
魅力:患者さまの「美味しい」の笑顔と、食べることによる回復促進。
大変なこと:患者さまが窒息してしまった時。予防やリスク予知の方法はなかったかと悩みます。
今後、「NST・嚥下リンクNs」を立ち上げ、各病棟に食事・栄養に興味を持ちKeyとなれるスタッフを育成し、どこでも安全でその方にあった食事が提供でき、「食べられない」患者さまを1人でも減らすこと。
※NST:Nutrition Support Team (栄養サポートチーム)